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人生は常に事件に満ちている【コナン】

第3章 バスジャック事件 【安室】


ある日の事であった。バスに〝組織〟が現れるとの情報を耳にし、彼らはそのバスに乗り込んだ。一人は風邪を引いていると装ってマスクをし、一人はサングラスをかけていた。最後部席に座り様子を伺っていたのだが、起きたのはヤツらの行動ではなく、予想外のバスジャックだった。スキーウェアを着込んでゴーグルをかけ、手には拳銃と大きな荷物。男達の目的は、宝石強盗で捕まった、服役中の仲間の釈放だった。四人グループのうち一人が捕まり、三人はまだ逃走中だという事件。だが男達は二人なので、まだどこかに仲間がいるのだろう。
(面倒だけど、巻き込まれている以上放置はできないか)
サングラスをかけているため、視線を動かしただけではそ目配せは見えない。だが隣の男はそれでも目配せを返した。強盗犯達が乗客の携帯電話を回収し始めた。最後部席まで来て、サングラスの女に声を掛ける。
「おい女、携帯電話を出せ」
「今日慌ててたから忘れて出ちゃって…」
「何ぃ?」
男は怪訝そうな声を出したが、やがて女が嘘をついていないと判断したのか、それ以上は言わなかった。次に言うのは、マスクの男だ。
「早く出せ!」
「あ、すみません…携帯持ってないんですよ…ゴホゴホ」
「なんだと?」
「本当ですよ。この人機械にてんで弱くて」
「チッ」
隣に座っていたサングラスの女とマスクの男は連れのようで、彼女が言うと強盗犯は「どいつもこいつも」と言いながら次に向かった。補聴器を着けた男と、ガムを噛んでいる女。女の方は強盗犯を挑発してしまい、威嚇射撃を撃たれていた。
(拳銃は本物…ま、当たり前か)
なんせ宝石強盗犯だ。そんな所でハッタリをかましては意味が無い。その後男は前に戻ろうとしたが、乗り合わせていたジョディに足を引っかけられて転んでしまった。男は当然激怒したが、英語でペラペラと謝ってくるジョディに気圧され、もういいと返して戻って行った。ジョディに、手を握られた時にトカレフのセーフティを作動させられたとも気づかずに。
(自分に目を向けさせて他の乗客に危害がいかないように、っていうのもあるんだろうけど、ほどほどにね…)
案外無茶をする同僚に、ひやひやさせられてしまうのだった。







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