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人生は常に事件に満ちている【コナン】

第9章 ミステリートレイン 【灰原/安室】


翌日、阿笠邸。哀に呼び出されたコナンと郁大は、昨日の事を哀に怒られていた。怒る、というよりは、文句が正しい。
「だいたい鴉羽くんも鴉羽くんよ!こんな作戦に乗ったりして!」
「言っただろ?俺は哀さんを守りたかったって」
「そんなのであなたが危険な目にあったら元も子もないでしょ!?」
「大丈夫だって。やつら、俺を認識してないみたいだからさ」
「だからって…」
不意に哀の動きが止まった。いつの間にかしゃがんで哀と同じ目線になっていた郁大の顔を見て目を瞬かせる。灰原?とコナンが言うと哀はハッとし、「とにかく!今度私に黙ってこんなことしたら許さないわよ!」と言って自分の部屋に戻って行った。顔が赤い気がしたのは、おそらく気のせいではない。
「…おまえ、灰原に何言ったんだ?」
「好きだって言った」
「…はっ!?」
コナンがぎょっとして郁大を見上げた。おー、と博士は興味津々に郁大を見ている。
「大事だから、好きだからってさ。まぁ、俺にできることなんて、たかがしれてるんだけどな」
苦笑する郁大を見たあと、コナンは哀が去って行ったドアを見た。その言葉は哀に届いているだろう。それを素直に受け止めて贈り返すことは、慣れない感情に揺れる彼女には、まだできないかもしれないが。
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