第1章 プロローグ
-工藤邸-
歩美たちに急用ができたと連絡し、3人が向かった先は工藤邸。
そこには優作と有希子が待っていた。
「みな、久しぶりね!この様子だと作戦、成功したみたいね!」
「なーにが 成功したみたいね! だよ!俺は!殺されるんじゃないかって気が気じゃなかったんだぞ!母さん!」
「新一、お前はその覚悟の上で日本に残ったんじゃなかったか?」
優作の言葉に何も返すことのできないコナン。
「で?説明してもらおうか?フランスにいるはずのねーさんがなんで米花町にいるのか。」
『先に……哀ちゃん、初めまして、私は新ちゃんの従姉、藤峰みなとよ。最近までフランスで教員してたんだけど、こっちに帰ってきたの!いつもこの子の面倒見てくれてるんでしょ?ありがとうね!』
そう言って右手を差し出した。
「その様子じゃ私のことも聞いてるのね。灰原哀よ、よろしく。」
警戒気味に見ていた灰原もみなとの勢いに負け、すっと右手を出した。
「挨拶なんか後でいいだろ、説明してくれよ!」
『慌てない慌てない。それに、びっくりしたのは私の方よ!突然有希姉から電話があったと思ったら、新ちゃんがちっちゃくなっちゃった!だもの、初めは有希姉がおかしくなったのかと思ったわ。』
急いで退職の手続きをし、日本へ飛んで帰ってきた経緯を話した。
「仕事はどうすんだよ?住む場所は?」
『それなら心配いらないわ、帝丹高校で働くことになったから。家ももう決まってるの、明日には引っ越す予定よ。』
仕事が早すぎる従姉に半ば呆れつつ、コナンはみなとはお目付役で呼ばれたのだと察した。
『まぁ、何かあったら頼ってね、哀ちゃんもね!』
それからみなととの関係を周りにどう説明するか口裏合わせをし、いつものようにみなとはコナンの遠い親戚、と説明することとなった。