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ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】

第17章 覗き見





60秒経って目を開けると茂みの前に一同が正座し
涙目になっている姿が目に飛び込んできた。

どうやら暴力に訴えたのではなく、
エルヴィンさんらしく精神的に堪えるように
色々やったのだろう。

特に兵長さんとハンジさんは、エルヴィンさんを
睨みつける眼差しが凄かったので徹底的に口撃を
受けてしまったのかもしれない・・・。

他の方々は諦めたような表情だったのが印象的だった。


「で?君達・・・私達に言うべき言葉が
あるんじゃないか?」


今までの幸せオーラからは一変、団長モードになった
エルヴィンさんの口から出る声色は周囲が
震え上がるほど冷たいものだった。

言葉一つでここまで他者を威圧出来る人間は
貴族の中でもそう多くはなかったので、
素直にエルヴィンさんの才能?には感嘆を覚える。


「「「尾行して覗き見して申し訳ありません
でしたーっ!!」」」


土下座に近い形で頭を下げて謝罪してくれた方が
大半だったが、不満があったのかハンジさんと
兵長さんは膨れっ面で反論する。


「確かに悪かったけどさ、エルヴィン。だからって
公私混同はどうかと思うんだよ。たかがプロポーズを
覗いていたくらいで予算カットって酷すぎない?」

「ハンジの言う通りだ。何で俺が他の人間の分まで
始末書を書かなきゃならねぇ。そんなもんは本人に
書かせろ」


不平を漏らした二人にエルヴィンさんは
大きく溜息を吐くと、絶対零度の瞳で二人を見下ろした。



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