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ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】

第16章 後押し





あまりの勢いに押され、つい「はい」と答えてしまったが、
私はどういう顔をしていれば良いのかわからず
オロオロする。

店の外に放り出されたエルヴィンさんは暫く尻餅をついて
呆然としていたようだが、すぐにどこかへ走り去って
しまった。

店内は静まり返り、皆さんどのような顔をすれば
良いのかわからないみたいだったが、
気を取り直したのかクールビューティー
(ナナバさんというらしい)が

「多分今日はもう店仕舞いして、着替えた方が良いかもね。
エルヴィンは本気出したら一流のレストランとかを
予約して外聞関係なく人前で当たり前のように
プロポーズしそうだからさ」

と助言をくれた。

その言葉にハッと我に返り、自分の姿を顧みる。

働いている時の格好は汚れても良いように
最低限の身嗜みにしてあるから、もしプロポーズを
受けるとなると若干恥ずかしいかもしれない。


「・・・申し訳ありませんが、本日は閉店とさせて
頂いても宜しいでしょうか?」


お言葉に甘えてそう皆さんに提案すると、
「だよな」「勿論です」「うちの団長がご迷惑を
お掛けするかもしれませんね」「お幸せに」
「一人で大丈夫?エルヴィン来るまで一緒にいようか?」
と温かい言葉を頂いた。

一人でいると悶々としそうだったので、更に甘えて
女性陣には一緒にいて貰うように頼み、
お店を閉めて自宅へと向かう。

貴族の頃は素敵な服を沢山持っていたが、
ほとんどのドレスは置いてきたか売り払って
しまっていてまともな服があるかと
クローゼットの中を漁った。

一緒に来てくれたナナバさん、ペトラさんと相談しながら
服を選びメイクをしていていると、エルヴィンさんが
戻ってきているか確認しに行ってくれていたハンジさんが
帰ってきた。

「エルヴィン戻ってきてたよー。閉店しているのを見て
絶望的な顔をしてたから早く戻ってあげてね~」

「えっ!?何で絶望的な顔をしているんですか!?」


思わず問いかけるとハンジさんが眉をハの字にさせながら
「そりゃ、過去逃げられてるから今回も逃げられたと
想像しちゃったんじゃない?」と言ったので、
身支度を急ぐ。



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