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ロミオとジュリエットは何故不幸になったのか【エルヴィン】

第16章 後押し





そりゃそうだ!
音信不通だったのだから、そう考えられても
おかしくはない!


急いで身支度を整えるとお礼を言うのも不十分に走って
お店へ向かう。

お店の前にはスーツを着て項垂れたエルヴィンさんと
それを慰める先程店内にいた調査兵の男性陣がいてくれた。


「お待たせして申し訳ありません!」


息を切らせながらエルヴィンさんの前に立つと、
彼はとても嬉しそうに破顔し私を抱きしめた。


「え、エルヴィンさんっ!?」


人目も憚らぬ行動に私は動揺したが「良かった。
また君を見失うのかと思ってしまった。綺麗だよ、」
という言葉が切なくて嬉しくて、そっと手を彼の背に
回した。


「プロポーズを受ける身として恥ずかしい格好では
嫌でしたのでここを離れました。不安にさせてしまい
ごめんなさい。もうどこにも行きませんから・・・」

「あぁ、そうしてくれ。もう空虚感を味わうのは
ごめんなんだ」


この半年、君を失ってしまった事への罪悪感と
空虚感が己の身に沁みていたよ・・・


そう言われてしまうとエルヴィンさんの身体から
離れることも出来ずに、子供にするように背中を
撫でていた。

安心するように優しく何度も撫でていると
「おい、もう帰って良いか?」という不機嫌そうな声が
聞こえ我に返る。


見ればリヴァイさんがミケさん達に
「無事合流出来たんなら問題無いだろ?」と
声を掛けているところだった。

ミケさんやモブリットさんやエルドさん(というらしい)が
「これ以上居てはお邪魔になりますからね」とそれに
同意する。

どうやら彼らはエルヴィンさんを待ってくれていて、
問題を起こさないか確認するまで居てくれたらしい。



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