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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第13章 原作編《新学期》


紫沫 SIDE


きっと、幼い頃から手足の様に使い続けてきたんだろう。
だってあんなに自在に使いこなせているんだ。
だから、雄英でトップに上り詰めるのは順当なことだと、思い違いをした。
次の言葉を聞くまでは。

「そう案の定俺は遅れた!!ビリっけつまであっという間に落っこちた。服も落ちた。この"個性"で上を行くには遅れだけはとっちゃダメだった!!予測!!周囲よりも早く!!時に欺く!何より「予測」が必要だった!そしてその予測を可能にするのは経験!経験則から予測を立てる!長くなったけどコレが手合わせの理由!言葉よりも"経験"で伝えたかった!」

元から強かったわけじゃない。
他の誰よりも努力を怠らなかったから、トップなんだ。
結果が出るまでの過程を全力で努力し続けたから。
そして、その為に必要不可欠なことを言葉ではなく実際に手合わせをすることで私達は体感した。

「インターンにおいて我々は「お客」ではなく一人のサイドキック!同列(プロ)として扱われるんだよね!それはとても恐ろしいよ。時には人の死にも立ち会う…!けれど恐い思いも辛い思いも全てが学校じゃ手に入らない一線級の"経験"。俺はインターンで得た経験を力に変えてトップを掴んだ!ので!恐くてもやるべきだと思うよ1年生!!」

実戦の後に聞く言葉はより説得力を持って。
まだまだ経験の浅い私達に、より強く響く。
それを知ってか知らずか…どちらにせよ、教室での流れを帳消しにする程先輩の姿はカッコよく見えた。

「話し方もプロっぽい…」
「「お客」か。確かに職場体験はそんな感じだった」
「危ないことはさせないようにしてたよね」

逆指名の私は尚更そうだったのかもしれない。
パトロールを共にさせてもらったけど、事件が起きれば前線に立たせることはせず、後方支援のお手伝いみたいなものだった。

「職場体験でプロヒーローのことを知った気になってたけど、まだまだ知るべきことは多いってことだよね」
「学校じゃ学べねェ"経験"か…」

仮免に落ちた私達はそこに手をかけることがまだ出来ない。

「そろそろ戻ろう」
「ねぇ…!私たちいる意味あった?知ってる?」
「何もしなくて良かった…ミリオに感謝しよう」
「「「ありがとうございました!!」」」

少しだけ、気持ちは急くけど。
今日の話は今後の為になるのだと胸に留めた。

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