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【ヒロアカ】雪恋【轟焦凍】

第6章 原作編《期末試験》


紫沫SIDE


あれから、お昼ご飯を済ませてついでだからと林間合宿に必要なものの買い出しをすることになった。
なんやかんやと夕方までかかってしまい、その間に私は焦凍君と呼ぶことにも大分抵抗がなくなっていた。
元々幼い頃にそう呼んでいたからかもしれないけど。
そうして、お見舞いだけでなく思いがけず買い物デートをしていたことに私はちょっと浮かれていたのだ。
しかし、クラスの皆が買い出しに出向いたショッピングモールで緑谷君が敵と遭遇したことを聞いて、そんな気持ちも消えてしまうほどに肝を冷やした。
何事もなかったらしいとも聞いてすぐに安堵したものの、敵の存在を改めて痛感するには充分な出来事だった。
そして、翌日朝のHR。

「…とまあ、そんなことがあって、敵の動きを警戒し、例年使わせて頂いてる合宿先を急遽キャンセル。行き先は当日まで明かさない運びとなった」
「「「えー!!」」」
「もう親に言っちゃってるよ」
「故にですわね…話が誰にどう伝わっているのか。学校が把握出来ませんもの」
「合宿自体をキャンセルしねえの英断過ぎんだろ!」
「てめェ、骨折してでも殺しとけよ」
「ちょっと爆豪、緑谷がどんな状況でだったか聞いてなかった!?そもそも、公共の場で"個性"は原則禁止だし」
「知るか。とりあえず骨が折れろ」
「かっちゃん…」

HRが終わって終業式に向かおうと飯田君と緑谷君が焦凍君の席に来ていたので、ショッピングモールで何事もなかったのかを改めて確認しようと声をかけた。

「緑谷君、本当に無事でよかった」
「心配かけたみたいでごめんね。何ともなかったし、大丈夫だよ」
「すぐに麗日くんが通報して、ヒーローと警察も駆けつけてくれたからな!」
「そっか、飯田君もショッピングモールに行ってたんだよね。そんな大変な時に私は呑気に買い物してたなんて…」
「紫沫は気にしすぎだ」
「寧ろ巻き込んでたらって考えると、あそこにいなくて良かったよ」
「そろそろ移動しなくては終業式に遅れてしまうぞ!」
「あ、うん!三人共引き留めちゃってごめん」
「雪水さん、私達とご一緒しませんか?」
「勿論!それじゃあ私は八百万さん達と行くね」
「ああ」
「遅れないようにな!」

こうして濃密な前期は終わり、夏休みは少し不穏な空気を漂わせながらの幕開けとなった。


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