• テキストサイズ

GIOGIO/Breve modifica

第13章 Ti desidero.【ジョルノ】




「ねえチヒロ。さっき…どうしてこんな事をするのか?と聞きましたよね」

「えッ?」

「始めのうちは…貴女の色んな表情が見られれば満足でした。ですが──…それだけじゃあ足りなくなった」

「な、何が」


「勝負をかけよう、と思ったんです」


言葉の意図をチヒロが理解できずにいるうちに、彼は彼女の耳に唇を寄せ、ふぅーっと温い息を吹きかけた。

「ひぁ、…ッ!?」

途端、びくりと反応した身体に口角を上げる。


「ああやっぱり、弱いんですね…"耳"。
前にミスタが同じように悪戯を仕掛けた時、あんまり慌てていたんで…もしかしたらと思っていたんです」


「〜〜ッ…!」


まさかそんな所まで見られていたなんて。
信じられない、と目を見開く彼女の顔は、その耳の先まで熟れたイチゴみたいに赤く染まっている。
だが、"信じられない"事態はこれで終わらなかった。


「…ん」

ジョルノが再び耳に唇を近づけ、今度は口付けた──かと思うと、ぬるりと舌を這わせたのだ。


「!? やッ……ジョル、ノ…ッ!」


くちゅ、という水音が響く。
驚きに彼の胸を押して振り払おうとするが男女の体格差は残酷で、数歳年下の少年はびくともしない。
彼女は逆にもっと強く抱きすくめられ、完全に逃げ場を失った。


「あ、ぁ…ッ! だめ、ッ、だめぇ…!」

生温く柔い舌がチヒロの耳殻を舐る。
その感覚に、耳元で絶え間なく聞こえる水音に、背中がぞくぞくと粟立つ。
彼女を嬲る舌を休めずに、ジョルノは言った。


「"だめ"?何がだめなんです?」

「だッ、だってッ、こんな、こんな所…で…ッ!うぁ、あッ…誰か、来たら…!」

「まだ誰も戻って来やしませんよ」

「ッ、んン…ッ!そ、そういう問題じゃ…ない……ッ!」


口では否定するものの、舌が動く度にびくびくと反応する素直な身体に、ジョルノの唇は弧を描いた。
チヒロが彼を振り払おうと奮闘した手は今や彼の腕を握り、まるで縋り付いているかのようだ。固まっていた身体の力はどんどん抜けて、足元が覚束なくなってゆく。
舌を中まで滑り込ませた後、軽く耳朶に歯を立ててやれば、彼女は一層高い声で鳴いて彼を悦ばせた。




/ 81ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp