蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第73章 コンプレックス 7
中間テスト前日 日曜日
午前
翔side
父からのmail
ナンデ? 今日呼び出すの?
明日の為に、勉強したかったのに……
文面を絶望的な思いで見詰めていた
和也side
「カズくん、久し振りね」
和也「その呼び方、辞めてくんない?」
兄貴の『お願い』
母に会う事
指定場所のカフェ、母の経営する
和也「日曜だってのに、定休日にして良かったのかよ」
|和湖《ワコ》「いいのよ。私には、カズくんの方が大事なんだもの」
和也「で、話って?」
和湖「2年前、離婚した事は後悔してないの。けど、貴方をあの人の元に…… それだけは後悔しているわ。貴方と一対一で向き合う事で 貴方の人間性を理解してくれるんじゃないか? 潤ちゃんは…… あの人の期待に押し潰されそうになっているから、離してあげたかった……」
和也「そんな事くらいで、あの人が…… な訳ないじゃん。でも、一人暮らし始めたし、すげぇ、今は楽しんでるから心配ねぇよ。それより兄貴の方心配してやれよ。俺みたいに力を抜く事が出来なくて、がんじがらめな性格の兄貴をさ」
和湖「潤ちゃんを、縛り付けては可哀想と思って、一人暮らしをさせることにしたのよ。思ったよりも、二人とも成長して…… 何か吹っ切れた感じもするし…… 二人してどうしたのかしら?」
吹っ切れた…… そうかもね。兄貴も…… ねぇ?
勉強会の時からかな? 相葉くんに教えながら、確かに楽しそうだったしな
俺もあの日から、親父との関係や、兄貴の事とか気にする事なくなったかも
ナンカ、 母さんと兄貴に対するわだかまりみたいなのが、消えていくの感じてた
勉強会の日、翔ちゃんと、メアド交換も出来たし(他の人達もしてたけど)
人生今迄で、こんなに生きてて良かったって思えた事無かったわ、俺
ってくらい楽しかったの、俺
それより、智さんの存在がさ……
翔ちゃんを見る目…… あれって…… ねぇ
ナンテ考えてた時
翔ちゃんが苦しい思いをしてたなんて……