第68章 コンプレックス 2

　春 新学期 新任教師挨拶

　翔side

　智「オイ…… 俺は、大野智美術教師です。宜しくお願いします」

　オイ？　変わった挨拶するなぁ……

　ザワザワ

（大野センセカッコ良くね？）

　男子生徒が、男性教師見て騒ぐって…… 進学校で、男子校だから、煩わしい事無いと思ったのに……


　どうなってんの？　


　まぁ、僕には関係ないや


　その日の放課後

　ｰ美術室ｰ

　和也『大野さんが教師って…… 型にはまった人生選らぶなんて、信じらんない』

　智「相変わらずだなぁ、カズは（笑）」

　カズ？　、二宮和也？　２年に進級してクラスメートになった……

　中間、期末テストでいつも２位で…… 試験前でも焦った様子もない

　たまに見かけると

　教室で一人ゲームをしていたり、

　同級生とふざけていたり

　僕から見たら変わったタイプ

　そして、大野先生も変わったタイプだ

　選択科目…… くじ引きで負けて美術を専攻することになった僕

　生徒が課題に取り組んでいる間

　椅子に座り、腕組みしてウトウトしているかと思えば

　時に的確なアドバイスしていたり

　生徒と楽しそうに笑ってたり


　翔 「知り合いなんだ、二人……」


　美術室の扉が開いてたから、聞きたくなくても聞こえてきた話

　全く…… ドアくらい閉めればいいのに……


　僕には外の世界の情報なんて、いらないんだから……