第61章 キミの声が聞きたくて11

　翔「中三の冬、会社を経営していた父が、低迷している会社を立て直そうと高校の同級生だった折戸に相談し、結果経営権を失って…… おまけに、3歳上の姉がその息子と『結婚する。妊娠しているの』…… と」

　和也「お父様は…… 後悔からか、身体を壊し亡くなられた」

　翔ちゃん…… 静かに涙しながら俺…… と大野さんを真っ直ぐ見つめている。何かを、確かめるように

　智「会社を立て直す条件…… 実は翔ちゃんだった……」

　翔ちゃん…… 誰かが話し掛けている時ね、その人を見つめ返すの。オイラと…… 二宮くんを見つめてる

　翔「母は俺のために貯めていたお金と、慣れないパートのお金だけで、折戸からのお金だけは使いたくなかったんだと思います。2年間、二人で…… けど1年前の冬、姉に呼ばれて行くと 『私はあなたを守るため…… けどマサキとジュンを授かって、彼を愛した。それなのに、俺は今でも翔を望んでいるって』って……」

　その後、梓さんは折戸を刃物で…… しかし、反対に……