第57章 キミの声が聞きたくて7

　翌日 土曜日

　◇◇探偵事務所

　雅紀「いらっしゃい」

　和也「お前が探偵なんて…… 世も末」

　雅紀「どうぞお出口は……」

　和也「帰らないです!　ごめん…… 潤くんもごめん」

　雅紀「俺からもごめんなさい。カズはともかく貴方は…… 本当にごめんなさいね」

　相葉雅紀。幼馴染み。天然だし、危なっかしいからなぁ。相葉さんは…… この事務所のベテランに依頼したかったけど、優しい奴だし親身に相談に乗ってくれそうだしな

　潤「5年前、高校3年の冬、幼馴染で、友達以上恋人未満的な好きな子がいて『5歳年上の人と一緒になる』って。すげぇショックだった。おまけに妊娠したって翌年の秋、諦めきれない俺は、彼女が母親になるって事が受け入れられなくて、日本離れてアメリカの大学に。昨年の秋には卒業したんだけど、そのまま…… けど、3か月前さ彼女の母親から連絡もらってさ……」


　週明け月曜日

　マサキ「サトしぇんしぇ、しょうちゃ」

　ジュン「たしゅけて……」

　智「マサキくん、ジュンくん……」


　◇◇探偵事務所

　智「児童相談所に相談したし、医者に連れて行ったんだ。入院する事になっちゃて…… 可哀想に……」

　雅紀「俺も、調べるけど……」

　同じ人に対する依頼……

　居酒屋で出会って、意気投合したサトシくんに、幼馴染みのカズ

　そして松本くん……

　調べて分かった事……

　折戸孝《オリトタカシ》

　こいつだけは…… 許せねぇよ……

　雅紀「松本さん、梓さんのお母様は…… 自分からは貴方に立場上話せないけれど、このまま死んだら一生後悔すると思って。と、４年間の事お話になったんですよね？」

　潤「はい」

　雅紀「1年前に亡くなられた梓さん、弟の翔くんの事…… ねじ曲げられた真実を、本当の真実に変えて欲しいと言う。お母様の願いだと思います。もう少し、時間を下さい。証拠集めが固まったら連絡しますから」

　潤「宜しくお願いします」