蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第123章 色香を隠していても… 14
和也のマンション
俺もサトくんも、男としては小柄なんだよね。だから、一番力持ちのマァくんにタクシーに乗せて貰ったの
マンションに着いて……
翔ちゃんも華奢なんだよ?
オイラ、自分達で…… でも、大丈夫かな? とか情け無い事考えてたの。それは、カズも同じだったと思う
いざ、マンションに着いて…… タクシーの運転手がさ気を利かせてくれたんだろうね
『私が、お連れ様をお運び致しましょうか?』
そう言ってくれて。けど、好きな人を人に任せるとか
男としてあり得ないよね?
和也.智「ありがとうございます。大丈夫です」
タクシー降りてエレベーター前まで、エレベーターから部屋の前まで、交代で翔ちゃんをおんぶして……
ソファーに翔ちゃんを、ゆっくりと横たえて…… 危ないからメガネ外してあげた瞬間
和也.智「綺麗……」
それまで、メガネと、髪の毛で翔ちゃんが隠していたもの
露わになった瞬間……
隠していても、隠しきれずにいた
色香が
現れた訳で……
俺とサトくん
オイラとカズ
目が離せずに、翔ちゃんを見つめたまま微動だにすることも出来なくて
"うーん"
和也.智「翔ちゃん?」
翔ちゃんが目を覚まして、辺りを横になったまま見回して、おもむろにソファーから起き上がって……
翔「カズ? サトシくん?」
無意識に俺(オイラ)達の名前呼んだんだろうね?
けど、次の瞬間『別人』だって言ってたの思い出したのか
顔を両手で覆って、大きなため息をつくと
翔「色々迷惑かけてごめんね。俺、帰るね……」
ようやく再会出来て…… 夢にまで見た翔ちゃんが目の前にいるんだよ……
俺、涙溢れてきて
和也「行かないで翔ちゃん。これからは、俺が守るからずっと傍ににいて……」
オイラ、涙溢れてきて
智「行かないで翔ちゃん。これからは、オイラが守るからずっと傍ににいて……」
翔「守る? 傍に……?」
和也.智「翔ちゃん?」
翔ちゃんが呟いた言葉の意味
何なんだろう? って
次の瞬間、バーって涙溢れさせて翔ちゃん
翔「今迄オレに、そんな事、言ってくれた人いなかった……」
和也.智「翔ちゃん……」