蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第106章 花(華)の屋敷 番外編 1
ショウの実家
ショウ「母上様!」
ショウナ「本当に ショウなの? まぁ…… 立派になって……」
3年ぶりに実家に戻った私を母は、泣いて喜んでくれたのだ
ショウ「耕太さんと、サトシさんの尽力で花屋敷は 保護施設も兼、いえ、むしろそちらの方が主な屋敷になる許可が出たと教えて下さいました。ですから、これからは今日の様に、母上ともお会い出来ると……」
涙を流して、聞いておられる母上
ショウナ「良かった…… 耕太さんの願いが叶ったのですね……」
ショウ「母上。また遊びに参りますね」
ショウナ「ショウ…… 私の為にごめんなさいね」
ショウ「相手の男が、私をまず刃物で狙ったと、それを助ける為に母上は…… そう聞いております。だから、母上も私も何一つ悪くは無いのだと、ついこの間教えて頂きました」
そう言うと一瞬母上は、ハッとしたような表情されて ?
ショウナ「そうですか…… ショウが幸せなら良いのです。本当に良かった…… また来て下さいね」
その時の、母上の表情の意味を私が知るのは
ずっと先の未来の事
その時私は、サトシ、カズ様の小さな嘘に護られた事を感謝する事になるのだ……
カズの実家
さわ「サトシ…… さん? 本当に?」
サトシ「はい。母上…… お会いできて嬉しいです」
私とサトシ殿は、サトシ殿の希望で母の元へ……
さわ「そうですか…… ようやく耕太さんの思いが 叶ったのですね」
カズ「母上良かったですね」
二十四年前の、母上の、耕太さんの、父上の願い……
涙する母に…… 私は心から良かったと
しかし
カズ「私は、母上の想いを何度も聞く機会があったのに…… 今までずっと申し訳ございませんでした。これから、私は母上の想いを引き継いで……」
後悔の涙が溢れて来て、言葉にならなくなった私を、母は
さわ「分かっていますよ…… カズさん……」
抱きしめてくれ、そして
さわ「サトシさん、貴方を慈しみ育ててあげる事が出来ず…… ごめんなさいね。これからもどうか…… 私の所へ足を運んで下さいませね」
サトシ「母上、私も分かっていますよ。父に愛され育ちました。こちらこそ、またこちらに遊びに参ります。それよりも母上……」