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蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )

第93章 花(華)の屋敷 11


 ショウの言葉に

 ガラっ

 静かに、申し訳なさそうに障子を開けたのは

 サトシ「マサキ様? 申し訳ございません。気づかず…… どうぞお入り下さい」

 カズ様に…… ショウに気持ちを持って行かれ、気づかないとは…… なんたる失態

 マサキ「宜しいのですか? あの…… とても大事な話を…… あの、聞こうと思った訳で無く、聞こえてきたと言うか……」

 ショウ「マサキ様と仰るのですか? どうぞ落ち着いて下さい。分かっております。待ちぼうけを食らわされ、障子戸の外にいたのですから必然と聞こえてしまうのは当たり前の事です」

 一瞬、マズッたと、いう表情で、あさっての向いているジュンを睨みつけていたらショウが……

 この中一人だけ涼しい顏したショウ…… 気に掛けていたジュンへの懸念が晴れたからだろう

 カズ「あの…… 確認したい事が…… ショウ様が、お客を取った事が無いとは…… 本当ですか?」


 そして、もう一人

 私とショウが1年前に出会ったと聞いて、凄く嬉しそうな表情をしたカズ様……

 あの事には何故か触れてこないと思ったら

 ショウを…… 想う方が現れた…… ザワツク感情に私は……


 私は、ショウ様と、サトシ殿が出会って間もない

 そちらに気を取られ気づかないとは

 本当に? イヤ、私の母の話からして……

 心の底から嬉しさがこみ上げて来た

 それと同時に、サトシ殿のショウ様に対する深いの愛情を感じたのだ

 胸が苦しくなる感情を


 ショウ「ジュン、良かった…… マサキ様の様な方に出会えて」

 ジュン「ショウさんも…… 良かった…… サトシさんが何も言ってくれないから……」


 真っ直ぐで、傷つき易そうなジュンさんが心配で…… 付いてきたは良いけど…… ショウ様の計らいでお部屋に入れて頂いたは良いけど

 私は場違い…… 本当に居ても良いのか? 

 でも、ショウ様を巡るそれぞれのお方の深い想いは

 痛いほど伝わって来たんだ……


 サトシ「……色々と、お客様に対する手違いや、行き過ぎた発言申し訳ありませんでした…… 私…… いえ、父の花屋敷への想いをお話致します。二十四年前、私の生まれた一年前の話です」










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