蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第92章 花(華)の屋敷 10
失礼なのは、重々承知していた
しかし、ショウ様と、サトシさんの配慮がありがたければありがたい程、何故という思いから部屋に来てしまったのだが
ショウ『ジュン? 良かった……』
ジュン「ショウさん? 良かった…… とは……」
ショウ「ジュン…… 互いを想うあまり、すれ違っていたという事だ。サトシのお陰でね」
俯き加減で、微かに微笑み、何か得心したようにそう仰ったショウさん
(益々、分かんねぇ……)
カズ「サトシさん、分かったでしょう? 貴方の想いは尊い。しかしその為に、御三方共擦れ違い傷付いている。それは貴方が望まない事では無いのですか? その想いを話す事は貴方の役目では無いのですか?」
ショウ「サトシ、これまでの配慮本当に感謝している。この花屋敷で私を守ってくれた事。3年前に、私がここへ来てから一度たりとて客を取らせなかったのには意味があるのではないか? それはサトシのお父上の代からずっと…… 今日こそ本当の事話して貰いたい。そしてカズ様貴方も何か知っていらっしゃるのでしょう? 教えて下さい。又、私に目を掛けて下さっている事、ありがたいと思っています」
サトシ「分かった…… 私は、意固地になって、今迄、事の次第を伝えようとはしなかった…… 許しておくれ。父上の想いを……」
カズ「3年前?」
ショウ「カズ様どうしたのです? ちなみに、私とサトシが出会ったは1年前です。サトシが、父親から引き継いだ時に会ったのです」
もっと昔から知り合いかと思っていた…… そうか…… まだ日が浅かったんだ
良かった……
ショウ様は…… なぜ私が驚いたか気づいてない様ですが、サトシ殿気づいた様ですねぇ? 嫌そうな顔して私を睨んでいる(笑)
ナンカ…… ショウさんを巡って
サトシさんと、カズ様は火花を…… ショウさんは気が付いて無いけど……
そんな事を、考えていたら
ショウ「どうぞ、お待たせしました。お入りくださいお客様! ジュン…… そなたを心配して付いて来て下さったのだろう? そなたのお客様は。なのに鼻先で障子を閉めて…… 入って貰いなさい!」
(ショウさん……自分の事には、疎いのに、他の者の事となると聡いお方だ)