蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第91章 花(華)の屋敷 9
ショウの部屋
カズ「ショウ様!」
ショウ「カズ様……」
サトシ「カズ様。ようこそ、いらっしゃいました」
ん? 何だ? ショウ様とサトシ殿の雰囲気が……
カズ「何かあったのですか? もしや、お二方の考えの相違で揉めていたのですか?」
カズ様…… あの日、私の事を助けて下さった方であると聞いた
それ以来私の事を
カズ『気に入った』
と、こうして度々来て下さる様にになったのだが……
私とサトシが話していた事を、瞬時に察知する機知に飛んだカズ様の聡さに、私は感服しているのだ
サトシは、思慮深く暖かい
私が、客を取る事を頑なに…… しかし闇雲に『ならぬ』と言ってるのではない気がして
私は、本当のお前の気持ちを聞きたいのに……
ショウ「カズ様、貴方様に恩のある身、しからば尚更の事……」
サトシ「ショウ! それだけはならぬ! 貴方様は、そのような事をするべきお方では無いのだ! カズ様! ショウの事を、思うてのお言葉であろうが、したり顔で我が花屋敷の事について、トヤカク言うのは控えて頂きたい!」
カズ「貴方の何も言わずショウ様を、陰から見守り、守る姿勢は分からぬでもない。しかし貴方のお父上と、貴方の思いを伝えないから、様々な誤解が生じているのでは無いですか?」
(被った…… 気が合うのか? 同時に叫ぶとか…… しかし)
ショウ「サトシ? カズ様? 。お二方共いつも、私の為と申されるが無用に願いたい。私はここで果たすべき勤めがあるのだ。それを私だけがせぬのは…… 今この時も頑張っている皆に申し訳が立たないではないか。だから…… サトシお前の本当の気持ちを知りたい。カズ様何か知っているのなら私に……」
トントン!
ガラっ
ジュン「失礼致します。ショウさん! 許可も取らず部屋に伺った事を御許し下さい。サトシさんも居られるのですよね? 私達の為に配慮頂き感謝しておりますが、何故その配慮をショウさんにもして下さらないのか? 今日こそは我々の願いを聞いて頂きたい!」
ジュン?
そうか…… 少なくともジュンだけは……
ショウ「ジュン? 良かった……」