蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第90章 花(華)の屋敷 8
カズ様の想いが痛いほど伝わって来た。そして、伊織と申す若者の想いも
サトシ「カズ様、伊織殿の申す通りだ。貴方自身も…… その様な愚劣極まりない輩は…… 漸く来た様だな…… 与力と同心に任せ、町奉行所て、痛めつけてもらえば良いのだ。そなたの才覚潰すなんざ、もったいない。私はお二人の想いを、叫びを聞きながら冷静さを取り戻せた。取り乱してすまなんだ」
視界の隅で
トビカゲ「花町でそのような綺麗事あるわけが無い! 罠に賭けおって! 離せ!」
叫びながら、与力と同心に引っ立てられるトビカゲの醜い叫びを、胸糞悪い思いで聞きながら
カズ「いや私こそ…… 伊織よ、助かったお前のお陰で私は……」
同じ様に、表情を歪めて忌々しげに、その方を睨んでいる若者の、未来ある若者の人生があの者によって潰されずに済んで良かったと……
私は心から思ったのだ
う、う~ん
カズ「ショウ様!」
サトシ「ショウ!」
カズ.サトシ(良かった……)
ショウ「サトシ? 何故泣いているのだ? …… 貴方は誰です?」