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蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )

第88章 花(華)の屋敷 6


 カズ…… と名乗ったこの青年。この『花屋敷』に、数回来られた事のあるお客様と連れだって来た

 先程の言葉から察するに……

 ナンカ、嫌な胸騒ぎがする……

 サトシ「そ、そなた! トビカゲ様と連れだって来たんだよな? 誓紙…… 誓約書は確認せなんだのか?」

 カズ「誓紙? 誓約書? イヤ…… ど、どの様なものなのです?」

(やはり…… カズ様は、何も知らされずに連れて来られただけで)

 と、同時に、勘の鋭い彼は私の懸念を…… 察した様だ


 サトシ殿(どの)の言葉で、私が、朧気に感じた懸念は確信に…… 彼の焦った声音……

(誓紙? 誓約書? あんの、トビカゲ! 私に何も!)


 サトシ「カズ様! 嫌な胸騒ぎがする! ショウの部屋へ!」


 その時だった

「トビカゲ様! 何をっ? お辞め下さい!」


 カズ「ショウ様?! あの声は…… 伊織?」


 ショウの部屋の方から聞こえた叫び声に、私は…… 情け無い事に、声も出ずに…… 身体も強張り……

 カズ「サトシ殿? 大丈夫ですか? ショウ様の元へ急ぎましょう! あれは、我らと共に来た伊織の声です!」

 カズ様の言葉に、スッと頭が冷静に……

 そうだ! 私がこのザマでどうするのだ! ショウを、安心させてあげられるのは…… 私だけだというのに! 

 カズ「サトシ殿! こちらです!」

 ショウ! ショウ! 今、 助けに参るからな! 

 貴方は、私の…… 光! 

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