蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第86章 花(華)の屋敷 4
ジュンの部屋
マサキ「私は、料理人になろうと思ったのだが…… いかんせん才能がなくてね(笑)」
目の前の男、少々の酒を嗜みながら、身の上話ばかりして一向に
この、マサキという客…… 2回目の客なのだが……
シュル……
マサキ「待った! ジュンさん!」
待つ?
私は、襦袢の腰の紐に、手を掛け解こうとした瞬間
叫んできた男を凝視して
因みに、私は…… というより、ショウさん以外のものは皆、白い襦袢だ
あの御方だけが着ることを許された赤い襦袢……
マサキ「貴方の様な美しい方…… 私は貴方とお話がしたいのです。望む事はそれだけです。どうか……」
あり得ない
この前は、このマサキという青年、純朴という表現がピッタリで、なぜこの
『花屋敷』
に来たのかと…… いぶかしんでいたのだが
ショウさん?
何かと、私の事を可愛がってくださり、目を掛けて下さる
ショウさん?
あり得る
そして、あの御方を特別な存在として
大切にされているサトシさんなら……
ジュン「マサキさん、誰かに頼まれたのだとしたら、気にならないで下さい。私は……」
マサキ「違う! 私は…… 私の意思で貴方を汚さないと決めたのだ!」