第8章 大阪城攻防戦 ~ 一期一振のキモチ ~ 上
~大阪城攻防戦~ 一期一振編
鯰尾「主っ!この先には和泉守兼定たちがいるんだろ?このまま走って行ったらマズいんじゃ――」
確かに、唯一の出口には和泉守兼定たちが構えている。
そこへ大人数で押しかけても狭い通路で戦うことなんて出来ない。
そんなことは百も承知だ。
「戦う必要なんてないからね」
骨喰「戦わないのか・・・?」
「そう。きっと和泉守たちの目的は一期一振たちの勧誘と堀川への接触」
そしてたまたま第一部隊にいた堀川が襲撃を受けた。
どうしてこの時代に和泉守たちがいるのかも気になるけどこの際考えても仕方ない。
骨喰と薬研の話にからすると一期一振が目覚めていないのは予想外の出来事だと思う。
「まだ想像の範囲だけど、和泉守たちが本丸のメンバーと刀を交える理由があってもとどめを刺すことはしないと思う」
先に行かせた鶴丸たちには第一部隊への指令を伝えるように言った。
もし部隊の一人でも重傷になっていれば和泉守たちを斬る。
でももし中傷程度に留めていたのなら・・向こうにこちらを斬る意向は無い。
安定「手加減をされてるってことか・・・ゾッとするな」
安定の瞳が暗く光る。
戦いにおいて手加減をされてる状態に憤りを感じたんだろう。
加州「・・そーね」
そう言って加州は静かにの横顔を見た。
(・・・何かが変だ)
それは漠然とした想い。
大阪城に来てから、はさらに一期一振へと気持ちが傾いている気がする。
(それに・・)
・・・・・攻め込んでいるはずが、まるで誘い込まれているようじゃないか?
最深部にいるという一期一振。
なんで眠っているかなんて俺には分からないけど、の記憶を奪った奴に安易に近づいてもいいのだろうか?