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美顔耐久ゼロ審神者と刀剣男士!

第6章 濡れ羽色した少年のキモチ


 







俺が本丸に来て、何度目かの朝。



加州「え、どっどうしたのその顔・・・?」


目を赤くして平然と立っているの姿を見た。





「ん?なにが??」



主は気付いてなかったようだけど、

濡れた瞳や睫毛のせいで、

俺にはすぐ泣いた後だって分かった。



加州「・・泣いたの?」


「泣く??」


加州「いや、なんでもない」




それから次の日の朝も。
その次の朝も、は同じような顔をして朝を迎えた。



加州「・・・・・」



悪いとは思ったんだけど、

どうしても気になった。


まだ俺としかいない本丸で、
襖越しに感じる人の気配。



(・・・・やっぱり、泣いてる)



それは風の音にも負けるくらいの小さな音で。




ダメだとは分かっていた。



でも、知ってしまえば後戻りなんか出来なくて・・。



加州「・・・・」


薄暗くて大量の書類や本が積まれた一角で、

苦しそうに身体を縮こませるように横たわるの姿があった。



止めどなく溢れる涙を止めるすべもないのは、
どれだけ泣いていても眠っているから。


(・・・これじゃあんな顔になるわけだよな)



加州はの瞼にかかる髪を払うと、優しく溢れる雫を拭った。





「んっ・・・」



苦しそうに一瞬顔を歪ませるを落ち着かせるように。
なんとなく手での頭を撫でた。


少し和らぐ表情からまた一滴の涙が落ちる。








「・・・・ぃかないで・・っ」




“一期一振”




小さく吐き出された名前。





加州「・・・だいじょうぶだよ」









・・ねぇ。




アンタはさ・・なにと戦ってるの?















~第6章 濡れ羽色した少年のキモチ~























『・・・ほら、堀川もおいで』





そう言っては堀川に微笑んだ。





そして本丸の大広間にて。






 
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