第3章 相方のキモチ
初めまして。
僕は大和守安定。
沖田総司の愛刀の一つで、そのもう一つは加州清光だ。
僕たちは沖田君の元で過ごした戦友で相棒。
だからそれなりに清光のことは分かっているつもりなんだけど。
僕がこの本丸に来て10日。
内番や稽古、遠征や食材の調達と・・まぁ本丸での生活は割と目まぐるしい。
清光がここの初期刀だったこともあり、僕は清光にいろいろと教わることも多かったんだけど・・・。
安定「ねぇー、清光」
加州「ん?なぁに」
安定「随分と早く起きたみたいだけど、一体どこに行ってたの?」
加州「・・・えっ」(滝汗)
最近、清光の行動がおかしい!
~相方のキモチ~
安定「(じーっ)」
加州「え、えーっと・・・散歩っ!ちょっと目が覚めちゃったから~・・・とか、ダメ?」(アハハ‥)
安定「そんな見え透いた嘘、僕に通用すると思ってんの?」
加州「まぁ・・そうだよな」
降参したかのように、清光が机に突っ伏す。
加州「んー・・でもなぁ・・・」
言う気はあるけど言えない?
清光がこんな煮え切らない対応するなんて・・。
加州「うー・・・」
安定「・・・・」
はぁ・・・。
なんだかよくわからないけど、清光が変なのは確かで。
安定「どうせ主のところに行ってたんだろうけどさ、こんな早朝に行ったらさすがに嫌がられるんじゃないの?」
加州「・・・べっ別に毎日行ってるわけじゃないし」(アセッ)
安定「・・ちょっと、待って」
加州「なんだよ?」
安定「・・・毎日は行ってないってことは頻繁には行ってるってこと?」
それ、秩序的にどうなのさ!
加州「・・・部屋には入ってないし」(ボソッ)
安定「清光~っ・・そーゆー問題じゃないだろ?」(ハァ)
聞きわけのない子供みたいな顔をする相方を呆れたように見つめる。
本来の彼ならこんなことはしない。
むしろ物分りが良すぎて、自分の意見を飲み込んでしまうタイプだ。
だから、物珍しくなった。