第8章 大阪城攻防戦 ~ 一期一振のキモチ ~ 上
政府の目が届かない特別な一時。
審神者と、その審神者に仕える刀剣男士しか今この空間には存在しない。
一期一振「はい」
だからこそ、真実を問える。
建前も制限もない。
――貴女の本心が。
「・・・粟田口の皆も、そして本丸の皆も。無理に戦わせ合うような形になってしまって本当にごめん」
は皆に謝ると、その経緯を説明した。
「前にも話したけど、私の言動は監視されてる。だから一期一振は私達と対立しこの空間で刀を交えるように仕向けてたってわけ」
鶴丸「・・・なるほど。俺たちの闘気を利用するための“舞い”だったのか!」
「そう。審神者は氣の流れを読むことが出来る。それを利用して、皆の闘気でここに結界を貼ったの。まるで今ここで私達がずっと戦いをしているような、そう錯覚させるようにね」(ニッコリ)
安定「・・・ん?でもさ、そこまで厳重に気にする必要あるの?僕たちは政府に属してるんでしょ??コソコソすることなんてないよね?」
大和守が不思議そうに尋ねる。
「ッ・・・それは――」
一期一振「――それは、この本丸の役目が“真っ当なもの”では無いから、ですよ。大和守さん」
(・・そうですよね、主)
主に目を向けると、少し驚いたようにこちらを見ている。
加州「真っ当じゃない・・・」
主が今までずっと隠していた事実。
そして、私は最後までそれを受け入れることが出来なかった。
「・・・私達の本丸は、時の政府直属の――」
「・・刀剣を折ることを目的とされた検非違使なの」
加州「・・・・・え?」