第17章 さらば初恋
食堂のコーナーに行こうとしてたところだった。
「あれ?涼介じゃん!って、あの後輩……」
「俺は涼介じゃねぇ!爆豪勝己だ!」
そう言った俺をグイッと肩を引っ張る零。
「勝己、それ言うとヤバいヤツに見えるから止めて」
その顔は本当に嫌がってる顔だった。
「チッ、クソが。テメェら何者だ?」
「えっ……中学校で同じクラスだったじゃねぇか。覚えてねぇの?」
「だから、俺は入れ替わりが起きてて、コイツの事情は知らねぇんだよ」
「入れ替わり!?」
めちゃめちゃ驚くキモイメガネ男が聞いてきた。
「だけど、どうしてこの女と居るんだよ?」
零が代わりに丁寧に説明してくれた。
「……ってことは、テメェらも零を苦しめたヤツらなんだなぁ?人間のクズが」
「勝己、止めて。先輩だよ?」
「俺は高2だ!」
「あっ、そうだったね」
そう言って、零はえへへと笑う。
可愛い。クソ可愛いじゃねぇかよ。
「テメェらと話してる暇なんてねぇ。詳細はコイツ本人に聞けや。じゃあな」
俺達は、クズ男達の前から去った。