第10章 名探偵の秘密
敦は乱歩と共に依頼場所に向かっていた。
「正直驚いた。切符の買い方、改札の通り方、ホームの場所…本当に何にも判んないとは…異能力を使わないと、この人何にもできないんだな」
するとビー玉を見ていた乱歩は敦に話しかけた。
「敦君、特別に君に有るものを見せてあげよう」
「なんですか?」
乱歩は懐から小さな袋を取り出し、その中から虹色のビー玉を取り出した。
そして、それを敦に見せた。
「ビー玉…ですか?それにしても綺麗な色ですね」
「そうでしょ!これは世界に二つしかない特別なビー玉なのさ!そして…僕と大切な人を繋ぐ大切なもの」
「じゃあ、その大切な人がもう一つにビー玉を持っているんですか?」
「そうだよ、その人は僕の幼なじみで久しく会っていなかったんだ」
「会っていなかった、ということは今は会えているんですね!」
すると乱歩は少し寂しそうな顔をした。
「ああ、会えたよ。でも、向こうは僕を覚えていない。記憶喪失ってやつだよ。僕の事だけを忘れちゃっている」
「そう、なんですね…」
「さあ!この話は終わり!敦君、そういえばまだつかないのかい?」
「え、あ!ここで降ります!」
そう言って敦と乱歩は電車が降りた。