第6章 花火に込める思い
龍頭抗争後、私と治は最年少幹部になった。それから一年経って私と治、そして中也は十七歳になった。
カリカリカリカリ
そして現在、私は蒸し暑い執務室で山のように積み上がっている書類を片付けていた。
その後ろでは中也と治も自分の分の書類を片付けていた。
何でこんな事になったんだっけ?
~数時間前~
いつも通りポートマフィア本部に行き自分の執務室の扉を開けた瞬間、物凄い熱気が来た。
「うわ!何?!執務室がサウナ状態になってんだけど?!」
私はすぐに部屋に入って冷房機をつけようとしたが……、
「えっ、つかない!嘘~!」
代わりに窓を全開にしたら少しは楽になったが相変わらず暑い。
そりゃそうだ。今ヨコハマは、夏でしかも今日は30℃近くまで上がるという予報も出ていたのだから。
すると山のような書類を抱えた部下の一人が来た。
「夏目幹部、おはようございます。首領から今日の分の仕事を貰ってきました。」
「ああ、ありがとう。其処に置いといてってなんか今日の分多くない?!」
「それは私も思って首領に一応聞こうとしたら太宰幹部に会いまして、太宰幹部言うには夏目幹部の今日の仕事の量はそれで合っているよと言われまして……。」
部下は困ったように言った。
「わかった。あっ、それから冷房がつかないんだけどまさか………」
「壊れました。」
「やっぱり」
中也か治の所でやろうかな。
そんな事を思っていると部下の次の言葉で絶望に落とされた。
「しかも、ポートマフィア本部のほとんどの冷房機が壊れているんです。」
「は?マジで!?!?」
驚きを隠せてない私を前に一瞬驚いた顔をしたが冷静に
「はい、マジです。それじゃあ、私はこれで失礼します。」
「ああ、うん」
一人執務室に残された私はすぐに中也を探しにいった。
廊下の奥で中也を見つけると私は迷わず抱きついた。
「中也~、手伝って~」
「ユウリ手前今日は暑いんだからあまりくっつくな!しかも、何で俺が手伝わなきゃいけないんだよ。」
私は不思議そうに
「えっ、だって中也暇でしょ。」
「なっ!まぁ、そりゃあ今は暇だけどよお。」
「じゃあ、良いじゃん。さぁ行こう。」
「ちょっ、おい!引っ張るな!」
中也を半ば引きずって連れてきてそれぞれやる分を分けて半分に減った後、問題が起きた。