第5章 キャンディをどうぞ
ある意味、言葉にならない心の声が飛び交っただろう。
特に緑谷出久の目は点になっていた。
幼馴染として幼少期から過ごしてきた、幼馴染のこんな衝撃的な場面に出くわす日が来るだなんて…。
フリーズした爆豪に、嬉しそうに抱きついてたイチをウェンウィルが捕獲すると、素早く短いやりとりが行われた。
「お前コッチでは口にすんなっつたろ」
「あ!そっか嬉しくて忘れちゃった。でも勝己だけ、仲良ししてなかったからいっか。あははー」
「次やったらメシ抜きだ」
「えっ!やだやだーーー」
「…勝己、許せ」
謎の会話と謝罪をしてイチを脇に抱えて、2人は行ってしまった。
恐る恐る爆豪を見ると、残された暴君は今にも爆発しそうだった。
誰も何も発しない。
そんな空気を不思議に思い轟が何か言おうとすると、急いで天然起爆剤の轟の口を緑谷と飯田が押さえると、全員でその場から逃げた。
その後、爆発音がしばらく止まなかったのは言うまでもない。