第1章 序章 戦闘技術
一連の流れを終えると、横に控えていたブラドが咳払いをしてから場を締め始めた。
「では、これから本日のスケジュールを伝える。
各クラス戻り着替えを済ませスケジュールに従って動く様に」
校内を軽く案内してくる。
根津が言うと「では後ほど」と男は会釈をして教室を出ていった。
コツコツコツ……
人気の少なくなった静かな校舎の廊下には、蝉の声と足音がよく響いた。
生徒(爆豪)の誘拐。
それは世間の批判を受けるには最適なNEWSであった。
その為か、夏休みの最中に安全面重視と超スピード建設で寮が建てられ全寮制度は始まった。
ヒーロー科1年だけで無く、早々に入寮して残りの夏休みを過ごす生徒も多く、徐々に賑やかさを取り戻した校内。
ついつい急ぎ足になる自身の足をそのままに、声を弾ませ小さく彼等は会話していた。
〔ねぇ、気になるのいた?〕
「あぁ、面白くなりそうだ」
溢れる笑みを隠すように男は口元を押さえた。