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シュガー・クッキー【ヒロアカ】

第1章 序章 戦闘技術





「はぁ、またあの地獄が始まんのかぁ……」


 暑い日差しが外の空気を熱気に変える8月の午前、上鳴電気は気怠そうに自身をあおいだ。


「おまけに補習の続きもね……」

「水着ギャルのいるプールにオイラもっと行きたかったなぁ…」


 芦戸三奈は腕組みすると、隣で頷く峰田実と共に打ちひしがれた様子でうなだれた。

 ここは国立雄英高校。
 次世代のヒーローを育てるいわばヒーロになる為の登竜門。
 現在活躍するヒーローも多く輩出している名門校だ。

 
「何だなんだよ!張り切って行こうぜ、仮免も近いし遅れた分取り戻さねぇと!なぁ爆豪!」


 そんな彼らを鼓舞する切島鋭児郎は、離れた所で座る爆豪勝己に呼びかけた。
 非の打ち所の無い笑顔の切島に、爆豪は少し苛立ったように答える。


「うっせぇーんだよ、朝っぱらから」

 
 口の悪いクラスメイトを横目に、八百万百は隣に座る耳郎響香と首を傾げつつ周りを見渡した。


「改めて両クラス合同という事なのでしょうか?」

「どーなんだろ……どっちにしても怖いわぁ」


 間近に控えたヒーロー仮免許取得に向けて延期になっていた圧縮訓練が再開されようとしていた。
 しかし何故かA組、B組共に多目的室に呼び出され今に至る。
 何にも無い訳が無いと構えるのも必然だ。


――ガラッ

 
 勢い良くドアが開くと、A組担任の相澤消太とB組担任ブラドキングが続けて現れた。
 その後から小型動物でありながらこの雄英高校の校長である根津。
 それとブラドより少し大柄な男、そして子どもが立っていた。
 素早く全員が座るのを確認し朝の挨拶を終えると、直ぐに相澤が何時ものトーンで話しだす。


「あー、皆知っての通りヒーロー仮免許試験まで残り少ない。合宿での遅れを取り戻すべく今日から訓練を再開するわけだが……急遽【特別授業】を混ぜて行う事になった」


 【特別】という単語に全員の頭に?が浮かんだが、相澤はお構いなしに話を進める。


「因みに説明の為であって訓練はクラスごとに行う。
さて、君らヒーロー科1年のみの特別授業だ、合理的に学ぶように」

 
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