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シュガー・クッキー【ヒロアカ】

第3章  狩るもの狩られるもの


 



 とにかく広い雄英の1つの敷地内で生徒は訓練している。設備、講師etc……それはどれをとっても一流であった。

 想像よりは順調に授業は進められている。
 持っていたファイルに目を通しながらペンを口元に当てると(素直で良い子が多いからかな)男は笑った。

 午後はまた半分を個別に見なければならない。内容によって2人、3人で組ませる場合もあるが、出来る事なら午前中に半数見てやりたかった。


 全面トランポリンの後ろに隠れた【逃げ足1番!パンチングマシーン(当てるとセクシーにむせび泣くよ)】に、苦戦する瀬呂に実演すると、午前中のラストの生徒達の所へ向かうと、言い争う声が進行方向から聞こえてきた。



「クソがっ!ちげぇだろそっちじゃねぇ!」
「……さっきのからしてコッチだろ」
「人の言う事聞けや半分野郎!」
「それ爆豪には言われたくねぇな……」
「んだとコラァ!!!」


【ハイスペック校長考案!頭を働かせてね♡悪魔の共闘コロッセオ(共闘を想定したあらゆる設定で敵が襲ってくるよ)】で訓練しているのは1−Aのツートップ爆豪、轟。


(案の定というか期待を裏切らないというか。敢えての共闘のつもりだが、早かったかな)
 しばらく遠目で爆豪と轟を目視してから頭は天を仰いだが、男の口角は何故かあがる。


 それはそれは小気味よく。










「勝己!焦凍!!」



 突然自身の名を呼ばれ2人は声の方を振り向くが、そこには誰も居なかった。


 咄嗟に1メートル程その場を離れ、周りを確認するより早く2人の脳は慌ただしく状況を察する。


 体に突き刺さる圧倒的な敵意。

 体を包む悪寒。

 ヴィラン襲撃。

 敵と対峙した時の、





 ――――あの時の心音ッ









 無音。世界は音を無くしたのか?
 思わずそう思う程に雑音は鳴りを潜めると突然体が軽くなった。
 それに合わせて2人の後部で声がする。


「いけねぇなぁ、共闘は相手がいなかったら背中をこう…まず合わせなくちゃ」



   ―――ゴッ!!


 初動から10秒
 互いに引き寄せられようやく相手を認識する




《《―――――――――!?》》













 終鈴を告げる音と爆発音が入り混じる。
 そして天井に届く程の真っ直ぐな氷が施設内に現れた。


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