第15章 蝕まれた先の咆哮
「だから校長として、生徒の疑問を1つ無くそうと思ってね。
知ってるだろうけど、学校のPCは学生証で起動させるだろ?
ただ、安全の為にいくつかのキーワードが設定されていて、それに引っかかったら自動的に転送される仕組みになっているのさ。
ほら、君達は未成年だし、念の為の処置なのさ。
まぁ、滅多な事じゃ引っかかる事は無いのだけどね」
『良いか出久。寮のパソコンで
【LOSTWILD】って検索してみろ』
(そうか、だからウィルさん、学校ので調べろって……)
――カチャン
「まぁ、話をする前にお茶のおかわりはどうかな?」
「え、あっいただきます」
再び満たされたカップからは、先程より少ない湯気が揺らいでいた。
せっかくなので一口啜ると、それはまた違った味わいがあった。
―― 時を同じくして
「だからテメェはそっち片付けろや!何度も言わせんな!」
「やぁだぁ!いいじゃんか、どうせやるんなら一緒にやった方が楽しいもん!」
「ペナルティに楽しいもクソもねぇわ!!誰のせいでこうなってると思ってんだコラ!!」
怒号が飛び交う雄英の敷地内の一角。
「ごめんって言ったじゃん!それに勝己だって怒りすぎなんだよーだ!
てゆーか、外行くの駄目になっちゃったんだから良いじゃんかー!ねぇーえー!!」
「だぁー!うるせぇ!!さっさと手ぇ動かせや終わっ「カーツ!」
――バシャーン
爆豪勝己は派手にプールに落ちていた。