第1章 マフィアにて
「なンだ紗希かよ」
中也は呆れたように彼女を呼んだ。
「ち、中也を偶然見かけて、なにしてるのかなって…」
「俺はこれからマフィアに戻ろうとしてたんだ。
…ちょっと待て、今良いアイデアが浮かんだ。
今からマフィアに来い。」
「え?」
「誰にも見られないように連れてくから」
「いや、別にいいけどさ、いきなり?」
「ああ。俺の執務室があるからそこにお前も行くってこと」
「わ、分かった」
そしてなんやかんやで中也の執務室に二人ははいった。
中也は唐突に紗希を近くのソファに座らせた。
「今からここでシてもいいか?」
「は?…え、いやいや唐突だねぇ」
そういいながらも既に中也は上着をぬぎ始めている。
「悪い、なんか急にお前が太宰に取られちまうような心持がしてな。お前がここにいるってこと、確かめたい。いいか?」
「……わかったよ。中也に抱かれるのは嫌じゃないしね。余裕がないことも理解はできるし。」
「悪いな」