• テキストサイズ

本日も晴天なり【BASARA逆トリップ夢】

第5章 Chapter5【福引券で運試し】



「……まさか、こんなに買うとは思っていませんでした……」



これでもかというほど備品がパンパンに詰まった買い物袋を持ちながら、私は小さな声で呟いた。

ひとつひとつの大きさはとても小さいし軽いのだが、塵も積もれば何とやら。
……あれやこれやと足していくうちに、そこそこの重量になってしまったというわけだ。



「大した量でなければ私一人で行っている。……重くはないか、苗字」

「いえ、私は大丈夫です」



どうやら石田さんにはそれが聞こえていたらしい。

不意に立ち止って私と荷物を交互に見つめたため、私を首を横に振りながら「大丈夫」だと返した。

正直、あまり大丈夫ではないのだけれど……
それ以上に、石田さんは私よりも買い物袋を持っているため申し訳ない気持ちを感じてしまうのだ。



「いや、しかし……」

「……あっ……そういえば、先程のお店で福引券を三枚貰ったのですが……!!」



一歩前へ踏み出して私の荷物に手を伸ばそうとしている石田さんの行動に気づき、私は慌てて話題を作った。



「福引券?構わん、好きにすればいいだろう」

「そうなんですか?もしも当たってしまった場合は……?」

「その場合の所有権は会社でも私でもなく、苗字の物だ。気にせずやればいい」


「……まあ、こういうのって大体参加賞のポケットティッシュとか飴ですしね。分かりました」



普通に考えれば、当たったとしても一等や二等なんてものはまず有り得ないだろう。
どんなに良くても手に入るのは四等や五等の商品券やら箱ティッシュくらいだ。

……それなら、まあ……貰っても大丈夫かな……?



そんなふうに思いながら、私は石田さんと少し寄り道をして抽選会場へ向かった……の、ですが…………






「………………」


「………………」




抽選器のハンドルを持ったまま固まる私。

心底驚いているのか目を大きく見開いた上司。


そしてーーーー




「おめでとうございます!!二等、遊園地のペアチケットが当たりましたぁ!!!!」





盛大なベルの音と共に告げられたのは、たった今私が引き当ててしまったモノ。


…………いや、たしかに毛利さんが家に来て以来、非現実的なことばかりが起きていたけれども……

こんなことって、現実に起こるものなの…………?

/ 42ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp