第1章 chapter 1 -Recognition-
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「・・・で、憲兵団副官のハンナが仕事をほっぽり出して
挙句、地下のゴロツキを捕まえず、名前だけ聞いて2日後にお礼する宣言だけをしてのこのこと帰ってきたんだ?」
『あの、アメリー・・・』
「そりゃナイル団長もあんなに怒るわけだ。
仕事を投げ出し追った先の悪党の情報を何も手に入れれず捕まえられませんでしたーだもんね。」
『・・・過去最高の量の始末書を書かなきゃいけない任務が増えたよ』
わたしはアメリーにいつものお店で今日の出来事を話ししていた。
「で、お礼って何するつもりなのよ?」
『・・・いやそこで相談が・・・』
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「はぁ。どうなっても知らないわよ?私は反対。」
『そこをなんとか!』
「いーや。私怒られたくないし」
『・・・アメリーの任務1日変わるから!』
「・・・3日」
『わかった、3日!』
「・・・怒られても知らないからね。」
喜んでくれるといいなと彼らの顔を思い出す。
春の訪れを知らせるかのように生ぬるい風がわたしの頬をそっと撫でた。