第1章 chapter 1 -Recognition-
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あれ・・・ここ・・・
建物は古いわりにとても綺麗にされている部屋でわたしは目を覚ました。
「気が付いたか?」
『・・・あれ、夢?』
「んなわけあるか。」
そう言うとファーランはベッドの横の椅子にどかっと腰かけた。
「昨日、寝てなかったのか?お前、あの後急にパタッと倒れたんだぞ。」
それを珍しいことにリヴァイが運んだ。と付け加えて。
『・・・ごめんね、ありがとう』
「俺じゃなくてリヴァイに言ってくれ。」
『いや、ファーランもありがとう。
わたしが目が覚めるまでここにいてくれたんでしょう?』
「・・・。」
『ところでリヴァイとイザベルは?』
部屋を見渡してもリヴァイとイザベルの姿が見えない。
「・・・時機に帰ってくる。それまでお前はそこで休んでろ」
お言葉に甘えることにした。
わたしはもう一度横になった。
・・・こんなことナイル団長や他の憲兵団の兵士にバレたら懲戒解雇かな・・・。
そんなことを思いながら目を閉じた。
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「・・・おい、いつまで寝てるんだ憲兵の野郎。起きろ」
『んっ・・・。あっ』
「・・・気分はどうだ。」
リヴァイはティーカップを独特に持ちながら視線も合わせず問いかけてきた。
『あぁ、うん。かなりゆっくり休ませてもらった。おかげで体調も万全。
ファーランからここまで運んでもらったと聞いた。
リヴァイ、ありがとう。』
「あんなところで憲兵の奴に寝られてたら迷惑だっただけだ。
勘違いするな。」
『・・・ふふっ』
「・・・何がおかしい」
『いや、素直じゃないなぁと思って。
リヴァイは優しいんだね、ありがとう。本当に助かったよ。
さて・・・そろそろ帰らないと。
ちなみに今何時?』
「・・・さぁな。」
わたしは立ち上がるとマントを羽織る。
『今日のお礼を3人にしたいと思っているけどあいにく今何も持っていなければ何も思いつかない。
だから・・・2日後、またここにきてもいいかな?』