第1章 chapter 1 -Recognition-
『っと・・・捕まえた。』
「離せよ!!このやろう!!」
・・・確かにこのレベルまで立体起動装置を操れるとなったら
憲兵の人間はまかれるか・・・。
そんなことを考えながらわたしは彼女を拘束した。
『君の名前は?』
「・・・」
『この立体起動装置はどこで手に入れたの?』
「・・・」
『兵団で訓練経験があるの?』
「・・・」
案の定何も答えない。
ただ、私のことを軽蔑したような冷たい目で睨んでいるだけだった。
『んー。女の子だし手荒な真似はしたくないんだけど・・・』
すると背中の方の地面にアンカーが刺さった。
素早くそれを回避するとさっきこちらを見ていたであろう2人がわたしに切りかかってきていた。
『こら、危ないでしょう。いくつか質問させてもらっただけ。
・・・今の憲兵団はあなたたちを捕まえる権利もないし』
するとさっきまで黙ってた女
「・・・誰にも習ってねぇよ!!!!偉そうにいばんなよ!!」
と叫んだ。
『・・・習ってないのにあそこまでの技術があるの・・・?』
すると後から飛んできた男が
「ゴミ溜めで生きるために身に着けたんだよ。
下水の味も知らねぇお前にはわかんねーだろうけど」
と挑発的に私に視線を動かした。
その目には殺意が見られる。
「・・・捕まえる気がないならなぜ俺たちに接触した」
ずっと黙っていた男がわたしにそう問う。
『・・・見てみたかったんだよ。わたしの班がまかれるほどの実力がある君たちをこの目で。
そして体験してみたかった。どれだけのスピードで立体起動を操るのか。』
そしてわたしはブレードをしまう。
『私は憲兵団に所属しているハンナ・クライン。
少し君たちのことを教えてくれない?
信用はできないと思うけど・・・。』
そう言っても彼らの目に宿る殺意は消えそうにもない。
『君たちというのは他人行儀な気がする。名前は?』
「「・・・・・・・・・」」
「・・・リヴァイだ。」
「?!兄貴?!なんで?!・・・っ・・・。
イザベル・マグノリアだ」
「・・・ファーラン・チャーチ・・・です。」
『リヴァイとイザベルとファーラン!ありがとう、名を教えてくれて』
そうわたしは彼らに笑いかけた。