第14章 告白はおはようの後で【上鳴電気】
「いや〜日が沈むのはやくなってきたな」
「そーっすね」
「肌寒いし、体調気をつけろや」
「わかってますって、」
プロヒーロー5年目、高校卒業と同時に就職したヒーロー事務所でサイドキックを続けている
「そういや、上鳴くんは付き合ってる子いないの?」
「いないですよwいたらもっと自慢してますって」
同じ事務所の先輩ヒーローが結婚した事で事務所内は恋愛の話題で盛り上がっていた。何となくその話題に触れまいと避けてきたが外回り中で話す事もなく1体1となれば答えない訳にもいかない。
「ほんとに?上鳴くんモテそうなのに」
「そんなことないっすよ〜」
中学卒業して以来彼女はいないけど高校生の時は“いい感じ”だった子がいた
同じクラスの隣の席、背が小さくてよく笑いよく食べる子で
同じバンドの音楽を聴いて苦手な科目を教えてもらった
「お!ほらみろあれなんだっけいい匂いがする」
人参とピーマンが嫌いでハンバーグが1番好き
物理と英語が少し苦手で運動神経が抜群に良くて
綺麗なものが好きで愛情深い
「金木犀...ですかね」
いつも金木犀の香りがしてた
「それだ!俺結構好きなんだよなぁ金木犀!秋が来たって感じでつい嗅ぎたくなっちまう」
「ああ、そうですね」
俺は嫌いだ
秋も
金木犀も
どうしようもなく
彼女を思い出してしまうから