第5章 綺麗な音【我妻善逸】
「...善逸?」
善逸は何も言わずあたしを抱きしめる力を強める
(しんどいはずなのに音がいつもより静かだ。まるで張り詰めた弦みたいだ。こうやって乗り切ってきたんだ辛い気持ちを表に出さないで自分さえも偽って。どれだけ辛かっただろう。)
「ぜんい 」
「好きだよ千鶴のこと。俺が想像してるより辛かったと思う。けど、俺の言葉が君の助けになったんだったら嬉しいよ」
あたしから離れると照れた仕草をする善逸
善逸は周りの視線が自分達に集中していることに気づいたのかボンッと真っ赤になりベンチに2人で座り直した
「目立っちゃたよね、、ごめんね」
「ううん、大丈夫。」
「あの、さ!俺達両思いって事なんだよね?」
「そーだね」
「...君の声を誰よりも近くで聞いていたい。俺と付き合ってください!!」
善逸は目を瞑り右手をあたしに差し出す
あたしは握り返す
「よろしく善逸」
「うん!幸せにするからね!」
「ははっちょーしのんな!行こう善逸」
立ち上がった千鶴を追いかけるように立ち上がりそっと手を繋げば千鶴から初めて聞く音が善逸の耳に届く
(千鶴の音はどんな音でも誰よりも綺麗で心地がいい...)
END✩.*˚