• テキストサイズ

【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第13章 Forget Me Not ※



「シェリー!」

馬を呼んで飛び乗る。
すでに最初に削いだ10メートル級の傷が回復していた。

とりあえず、このままハンジと合流しよう。
自分達だけではこの3体を対処しきれないが、ハンジがいれば余裕で片付けられる。


「す、すみません、サクラさん」

班に戻る途中、ルドルフが心底申し訳なさそうに謝ってきた。

「俺が足を引っ張らなければ・・・」
「何言ってるの! 私だって無理だと判断したから逃げているんだよ」

ペトラやオルオなら容易く仕留めただろう。
リヴァイだったら・・・
生け捕りを考える前に、一瞬で3体とも殺してしまう。

私は未熟だ・・・

悔しさで唇を噛みながら、前方にいるハンジの元へと急いだ。
とりあえずルドルフを班と合流させた後、自分はもう一度巨人の所へ戻って囮となろう。



「サクラ! 後ろ、気をつけて!」

ほんの 数十メートル先からハンジが叫んだ。
気づけば、巨人達は自分達のすぐそばまで迫っていた。

「ルドルフ、少し急ごう!」

「はい!」


その時。


リン・・・と、鈴のような音が鼓膜を揺らした。

見ると、そこには青い小さな花。


「・・・勿忘草・・・?」


この状況とはあまりにも不釣り合いで美しい色に見惚れた瞬間、強い衝撃がサクラの体を宙に吹き飛ばした。


「サクラさん!」


太陽が近くに見え、そして地面が逆さまに映る。
ボヤけた視界の隅に、巨人の醜い顔が見えた。


/ 781ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp