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【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati

第13章 Forget Me Not ※





トロスト区を出発してから、数十キロ。

快晴の空に、真っ赤な煙弾が昇る。


「巨人だ!」

班の先頭を走るハンジが、頬を蒸気させながら叫んだ。
その直後、右翼側から伝達係がやってくる。

「口頭伝達です! 右翼索敵、半壊滅的打撃! 10メートル級以上の巨人3体が侵入! 以上の伝達を左に回してください!」

よほどの恐怖を目の当たりにしたのだろう。
伝達係は大量の汗をかいていた。


「いいねぇ・・・! 侵入してきた巨人3体は、第二分隊一班が捕獲・討伐する。モブリット、そう伝えてくれ!」

「は!」

ハンジは口元に笑みを浮かべ、モブリットを伝達に向かわせた。
そして捕獲網を運搬している馬車に、準備をするよう目配せする。

辺りは平地だが、民家が無数にある。
捕獲にはうってつけの場所だ。

「ルドルフ」

ハンジの行動から全てを察したサクラは、隣を走る後輩に声をかけた。

「心臓を捧げる覚悟はできてる?」

ルドルフの顔は強張っていた。
しかし恐怖と戦いながらも、力強く頷く。

「は・・・はい!」

その返事に、サクラは微笑んだ。

だいじょうぶ。
心臓を捧げる勇気があるなら、巨人と戦える。

「私達はこれから分隊長と離れ、侵入してきた巨人の後ろに回る。そして、捕獲網を準備している馬車付近まで追い込む!」

「了解です!」

侵入は3体。
おそらく、全てを同時に捕獲するのは無理だろう。
となると1体か2体は殺さなくてはならない。


凄まじい地響きが鳴り響き始めた。
かなり近くまで来ている。

「ルドルフ、剣を抜いて!」

シェリー、手綱を離すよ。
あとは頼んだからね。

愛馬はサクラに応えるかのように、高く鳴いた。


「分隊長、では我々は一旦離れます!」
「ああ。だけど、お互いの視界から外れないようにね!」
「了解!」

ハンジと別れ、サクラとルドルフは馬の速度を緩めた。

直後、2体の10メートル級、1体の12メートル級が背後に現れる。


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