第2章 AKAITO登場
KAITOがツンデレだとわかって、彼の言動に怖さを感じなくなって約1週間が経過した。普通のヘタレなKAITOもいいけれど、こういうKAITOも好きだなあと納得してしまう。
因みに今日は休日なので今から昼食の準備するところだ。私がキッチンでエプロンをしながら長ネギを切っていると、後ろの方から足音が聞こえてきた。
「何してんの」彼が私の手元を見ながら言い出す。「料理してるんだよ」私はそう答えた。
「今日は会社とかいうところには行かないんだ?」
寝起きなのだろうか。声が少しゆっくりめでなんだか寝ぼけているようだ。
「今日は休みなんだよー」
なんだか、こうしていると夫婦みたいで照れくさくなる。切ったネギを鍋の中に入れた。
「・・・何作ってんの」
今日はやけに色々聞いてくる。流石に1週間ぐらい経てば、慣れという感じで私に接しやすくなってくれたのだろうか。
「スープ作ってるんだよ。ぽっかり温かくなっていいかなぁと思って」
私は言いながらおたまで鍋の中をかきまわした。
「て、て・・・」
彼がどもりだして私は彼の方を見た。もしかして「なんでネギスープなんだよ」とか言い出すのかなと、少し冷や冷やする。でも、飲むのは私なのだからいいのではないだろうか。と、彼が言う前に心の中で結論を考えていた。しかし、彼の様子がいつもと違っていた。顔を赤く染め、斜め下の方を見つめて少し挙動不審である。
言うぞ!という感じで彼が口を開いた。
「手伝おうか」
あまりにも小声な囁きだったので聞き返したかった。でも、二度は言わないだろうと思い、断念した。
彼の可愛さに私まで顔が熱くなる。私は目線を鍋の方に向けた。