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α派について

第1章 KAITOがお家にやってきた


 玄関の戸を開けるとKAITOが腕を組んで待っていた。
「帰るの遅い!!」いきなり怒鳴られてしまう。私は反射的に謝ってしまった。
でもよくよく考えると待っていたという事なのだろうか。何故だろうか。
機械だからご飯は食べないし、私の事嫌ってるみたいだし、必要性が見つからなかった。

「なんで待ってたの?」と私が聞く。彼は凄く驚いて、白い肌を赤く染めた。
「べ、別に待ってねーよ!誰がブスの事待つか、バーカ!」
KAITOがそう叫んだ。私の中で何かの可能性が思い当り始める。

「あ、そうだ」と私は手に持っていたポリ袋からアイスを取り出した。
「KAITOアイス好きでしょ?買って来たよ」
KAITOは一瞬アイスをみて目を輝かせたが、目をそらす。
「何それ、僕がKAITOだからアイス好きだろって?バカじゃないの?僕はそんなこと一言も言ってねーよ」
機嫌が余計に悪くなっている気がするが、なんだか昨日よりは不思議にも軽く聞こえる。

私は少し冗談めかしに言った。
「そっか・・・KAITOの為に買ったんだけど、いらないんじゃ他の誰かにでもあげようかな」
他の誰かって、あげられるような人いないけど、という前に自分で食べる気がする。
でもそれを聞いたKAITOが少しオロオロしながらチラチラとアイスを見ている。

「食べないとは言ってない。でも、好きだとはいってないからな!勿体ないから食べるだけなんだから!」

そう言って私からアイスを取り、フタを開けて紙のスプーンで嬉しそうに頬張った。
その姿を見て私は吹き出してしまった。
KAITOが「なんだよ」という。私は「べつに」と笑いながら答えた。


どうやら私のKAITOはツンデレのようです。
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