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α派について

第1章 KAITOがお家にやってきた


 私の名前はアルファ。どこにでもいるごく普通の・・・少し根暗でネガティブで会社をサボりがちなまだ20歳の女の子だ。そんな私がある日VOCALOIDの一員であるとてもカッコいいKAITOに恋をして、歌とか音声とかあまり興味のない私なのにソフトを買ってしまった。


今日がその宅配便が届く日である。私は昨日からドキドキしていてもたってもいられなくて、結局意味なく朝まで起きてしまっていた。おかげさまで7時を回った時点で眠くなってきてしまった。
頭を朦朧とさせて、彼が来るのを待ちお昼が過ぎた。


 ピンポーンとインターホンの音がする。私は走って玄関に向かった。眠気も吹っ飛んでいた。
扉を開けるとそこには青髪のとてもさわやかなイケメンが立っている。

「はじめまして、KAITOです。今日からよろしくお願いします」と彼が言う。

あまりの感動に私は涙が出た。この日をずっと待っていた。
私は「KAITO―」と叫びながらKAITOに抱きつこうとした。
すると彼は華麗に私を交わして、睨み付けるかのように私を見る。
KAITOのイメージは優しいヘタレなイメージだったので私の頭の中でハテナが飛ぶ。


「寄るな!ブス!!」


KAITOが怖い顔をして叫ぶ。私はきょとんとしてしまった。
じわりじわりと涙がこぼれだす。初体面にして嫌われてしまったのだろうか。
 そんな様子を若干遠くの方から見ていた宅配スタッフが、気まずそうに私にサインを請求してきた。
私は頭を真っ白にしたまま、領収書にハンコを押してKAITOを買った。


呆けている私にKAITOがイラついている。
「部屋入るのか入らないのか、どっちなんだ!」
私はオロオロしながら「入っていいです・・・」と答えた。
怖くて顔が見れない。許可をもらったKAITOはズカズカと部屋の中に入っていった。

私はそのKAITOの後ろを沈みながらついていった。
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