第17章 誠凛のエース
そして、火神君が部活に顔を出さなくなってから2週間がたった。
火神「チワス。」
日向「っ!火神!もう足はいいのか!?」
ウス。と小さく返事をする。
日向「足はいいけどオマエ、来いよ練習!!
なんかあったのか?」
火神君は黙ったまま、スミマセンと一言だけ言った。
そしてその直後、聞き覚えのない声が響いた。
「ウィース。さぁ、練習しようぜ!!」
・・・・・・
この人が、あの鉄平さん・・・?
身長は・・・190はいってる。
ってか、ユニフォームっ!?
伊月「えーと、久しぶりだな、木吉・・・。」
木吉「オゥ!!」
日向「いや、なんでユニフォームだよ、オマエ!?」
その理由というのは、テンションが上がったせいらしいです。
木吉先輩は、去年の夏から”ワケ”あって入院していたことを話してくれた。
その後も木吉先輩のすこぶる天然な発言は連発し、話はややこしくなったが、ちゃんと練習がスタートした。
その矢先、リコ先輩がピピピーッと笛を鳴らした。
リコ「火神君、ファウルよ!!ちゃんと回り見て!!」
火神「ッチ。」
火神君が、入学したての頃に戻ったように見えた。
そう・・・まるで一人でバスケをしているような。
『(・・だいぶ切羽詰ってきたかな。)』
私はフォローの言葉なんて思いつかなかったけど、マネージャーとしてほっとけず、火神君のところへ行こうとした時だった。
大きな影が私の前に現れた。
木吉「スマンが、先にオレにいかせてくれ。」
『木吉先輩・・・。』
そして木吉先輩は火神君のところへ歩いていった。