第4章 俺の親愛なる
「でも別にわざわざ声掛けることないっすよ、マジで。頑張って、とかでいいですかねえ」
「う~ん悪くはないけど、もっとパンチが欲しい。月島がこう一気に覚醒しそうな言葉が欲しい」
「ええ、パンチですか?急に言われても思いつかないですよ~先に言ってくれれば考えたのにい」
無茶ぶりも無茶ぶり。
そもそも蛍君を鼓舞しようってスタート地点から間違ってるような気もするし。
「あ、こういうのはどうだ?」
とキャプテンが一転、人の悪そうな笑顔で目を輝かせる。
やな予感。
「私のために頑張ってはあと、とか」
何を言ってるのバカなのこの人。
いや、さっき男って頭悪すぎって結論に達したんだった。
キャプテンもバカだった。
「嫌ですよ!なんでそんなこと言わないといけないんですか!?盛大に滑りますよねそれ!?」
「いいからいいから言ってこい、キャプテン命令!」
語尾にハートマークを付けたキャプテンに促されるがまま、蛍君の元へ。
あ~もうヤケよヤケ。
「…蛍君」
アップを始めていた蛍君に声を掛ける。
「なに、荻原」
「あ~なんていうか」
言え、体育会系のノリでポンと。
「んとね、私のために頑張って!絶対勝ってね!」
あああ、言い切った。死にそう。誤魔化すためにヘラヘラしてついでにゆらゆら揺れた。
語尾にハートマークもちゃんと付けたし、完璧。
もう二度とやりたくないけど。