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舞う羽は月に躍る《ハイキュー‼︎》

第6章 1つ先の景色


IH予選を来月に控え、烏野高校バレー部は練習に励んでいた。

私は、ビデオカメラで撮影、ノートに分析。
また、他校の試合ビデオを見ての分析も。

「白鳥沢って影山が落ちた高校!!」

今日の練習が終わり、各自くつろいでいれば、良く通る日向くんの声が響いた。

「うるせえ!!!」

直ぐに影山くんが噛み付く。

「で、七瀬さんがスカウト蹴った高校!!」

良く覚えてたね、日向くん。

「その言い方、白鳥沢が強いのか弱いのかわかりにくいね」

確かに。
ま、強いけど。

「ウシワカっつーのは、県内では間違いなく今No.1エースの…牛島若利だ」

日向くん、利くんを知らなかったのか。
結構有名だよね?

「うーん、これぞまさに"エース"って感じだよなァ」

澤村先輩が旭さんの方見てるけど、旭さんには旭さんの良さがありますよ!
利くんは、バレー馬鹿なのもそうだけど、何というか、無自覚天然ゆえの鬼メンタル。ひたすらにマイペース。
虚勢もお世辞もない利くんの言葉は、全てが彼の本音だ。
メンタルが強いとかいう問題じゃないと思う。
気にしてないって言葉、強がりで言う人が多いけれど、利くんの場合は、事実を言っているだけ。
利くんの"根幹"を私は知らないけれど、絶対に揺るがない何かを持ってる。

思考が飛んだ。

「コラコラ、白鳥沢だけが強敵じゃねーぞ。
良い機会だ。七瀬、要注意チーム」

ここで私に振るの?
取り敢えず、去年のチームをまとめたプリントを渡してから口を開く。

「……はい。
普通に去年のベスト4、と言いたいところですが、去年、3回戦で白鳥沢と当たってベスト16止まりの伊達工業が、今年はシードに入ってませんが本来ならベスト4レベルです。2、3年生はわかってると思いますが、"鉄壁"と言うに相応しい、リードブロックによる守りのチームです」

シードじゃないから、一回戦で当たる可能性もある。

「次、和久谷南です。
単純に言えば、音駒と似たチームです。高さはそこそこで、レシーブで繋ぐ、こちらも守りが堅い。去年から主力の中島猛くんが今年3年で主力となり、最近の練習試合を見るに、チームとしての完成度が一層上がってます」

ふー、疲れる。

「後は、総合力県トップの青葉城西と、言わずとも知れた王者 白鳥沢ってとこですね。
大まかに、この辺りが県予選での要注意です」
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