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舞う羽は月に躍る《ハイキュー‼︎》

第5章 ネコとの邂逅


さて、ご飯作って(武田先輩の女子力!)、食べて(炊飯器のサイズ変更を求む!)、お風呂に入って、寝よ寝よ。

「チョット、何してんの。髪乾かさずにフラフラしないでっていつも言ってるよね?」

"いつも"っていうのはそのままの意味。
蛍の家は共働きだから、よく隣の私の家(祖父母と私しかいない)で夕飯を食べて、お風呂に入って、勉強してから帰る。私は大抵寝落ちするから、蛍の帰る時間は知らないけど。
で、勉強はリビングで一緒にするんだけど、髪を乾かさずにやり始めようとすれば、毎回お小言を言ってくる。
多分小さい頃の病弱体質を気にしてるんだろうけど、最近は良くなって、風邪だってあまり引かないのに。

「いーよ、放っておけば。クセそんなにつかないし。そんなことよりミルクティー♪」

お風呂上がりの冷たいミルクティーは大好きだ。
運良く合宿所内のロビーの自販機には紙パックのミルクティーが置いてあったので、早速小銭を出そうと財布の口を開けて、

「ダメ。それで風邪引かれたらこっちが迷惑。はい、座って」

両肩に手を乗せられて、そのままストンと自販機横のソファに座らされた。
後ろに回り込んだ蛍が頭をタオルで包み、わしゃわしゃと搔きまわす。
ぶつくさ文句を言いながらも、その手つきはあくまで優しい。
これが家なら、ドライヤーでブローまでがセットだ。

「蛍ってさ、お母さんみたいだよね」

ぽつり零せば、蛍が黙り込んだ。

「…蛍?」

どうしたんだろう?
蛍は黙ったまま、私の髪を乾かしている。

「お母さんはなくない?僕、男なんだけど。
…幼馴染だし今更デショ」

幼馴染、か。
私と蛍は典型的な幼馴染だろう。
産まれたときから一緒って訳じゃないけれど、お隣さんの蛍との初対面はハイハイレベルの時期だ。幼稚園、小学校も一緒。男女の差があるから、学校でまで引っ付いてたことはないけれど、放課後や休みの日は結構な頻度で一緒だった。
中学生。私が北川第一中に行ったから蛍とは別れたけれど、結局一年も経たずに転校したから、2年ちょいは蛍と同じ雨丸中だ。
高校も一緒。
距離感とか、おかしいかなって思うこともあるけど、蛍は家族枠みたいな別枠だから。

「カナ、終わったよ。ほら起きて」

ゆさゆさと揺らされる。

「んーー」

ねむ。

「途中で寝そうだし、部屋の前までは送る」

「ありがと」

ねむいなー。
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