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満開桜

第14章 合宿Another story 皇天馬 甘裏


「つけてもいい?」
天馬『俺がつける』
めぐの手からイヤリングを拾い上げイヤリングをつける。
「どうかな?似合ってる?」
天馬『あぁ、俺が選んだんだからな、当然だ』
「ありがとう、天馬!」
そのあとも他愛ない会話をした。天馬の仕事のこと、学校のこと。次の公演のこと。他の団員のこと。
天馬『めぐはどうなんだ?』
「え?」
天馬『さっきから俺とか他の奴らのことは話すけど自分のことは話してないよな?』
「そうかな?気のせいじゃ、」
天馬『お前ってなんか、自分を見せないよな』
「……」
天馬『悪い、そんな顔させるつもりはなかったんだ』
「ううん、気付かれちゃったら仕方ないか!じゃあ帰りながら話そうかな」
ーーーーーーーー
「なんか、自分でもよくわからないんだ。自分のことが。どうしたいのか、どうされたいのか。だから話したくても話せないって言ったら一番いいのかな」
天馬『なるほどな…まぁわからなくもないけどな』
「だからさ、自分のことより周りの人のこと知ってたらいいかなって!…天馬?」
天馬が急に立ち止まった。
天馬『何でそんな風に言えるんだ』
「自分のことより、まずは周りの人だよ。今はそれがいつものことだから!大丈夫だよ!」
ギュッ
「天馬?」
天馬『そんな風に言うなよ…何でそんな風に笑うんだよ…』
「わたしは大丈夫だから、」
天馬『そんな悲しそうに笑うな…』
大丈夫と笑っためぐの笑顔があまりにも儚く見えた。このままどこかに行ってしまうのではないか、そんな不安すら覚えた。
天馬『俺らが、俺がいるだろ…頼むからそんな辛そうに笑わないでくれ…』
「ありがとう、天馬は優しいね…人のために泣ける天馬は素敵だね」
天馬『な、泣いてねぇよ!』
「目が赤いもん笑」
天馬『これは、その、あれだ!花粉だ!』
ーーーーーーーー
部屋に戻った2人。めぐは今お風呂に入っている。
天馬『(やべぇ、風呂の音ってこんなエロく聞こえるもんなのか!?いや、意識しすぎだ。落ち着け、俺…)』
「天馬?なに、百面相してんの?」
天馬『のわぁ!?きゅ、急に出てくんな!』
「いや、5分くらい前からいたから笑」
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